生きのびる

最近は少々の雨でも駅から家までタクシーを使う癖がついてしまったが、そういう話を誰かにすると贅沢だとか独身貴族は良いねなどという反応を頂戴する。しかし車の免許を持たない自分からすると自家用車を維持する方が余程ブルジョアに見える。先ずはクルマを買わなければならない。普通ならば安く抑えても百万円はするだろう。そのうえかかる保険代、ガソリン代、車検費用、駐車場代などのランニングコストも安くはないだろう。これを考えれば雨の日にタクシーを使う方がどれほど安く済んでいるか分からない。貧乏人だからこそタクシーを使うのだ。それでも月に五日も乗らないのだから安いものだ。ちなみに駅から家まではワンメーターだ。安いじゃないか。

そういう癖がつくと朝、出勤時にも雨が降るとタクシーを呼ぶようになる。迎車は少し高くなるが足元が濡れるぐらいならお金を払っても呼んだ方がましだ。既に登録しているので電話番号を告げるとクルマを着ける場所を言わなくても良いようなシステムになっている。至極快適。重役でも何でもないのにどんな重役出勤かと自分でも思うが、先の計算ならば実質は全然安い。おまけに乗り降りの際には運転手がクルマを降りてわざわざドアまで開けてくれる。どんな贅沢だろう。これでも平均して月に五千円も掛からない。百万円のクルマ一台なら換算すれば16年分だ。こんな計算をする程に自分がどれだけ貧乏かが分かるというものだ。

言えばこれも東京に住んでいるから自家用車が無くて済むのであって、以前地方に長期出張していた時には車がないことがこれ程辛いと思ったことは無かった。無いと生活が出来ない地方生活ではタクシーで近くのスーパーに行ったこともあった。多くは同僚にせがんで送迎してもらい何とか乗り切ったが。

朝晩は随分と涼しくなった。今年の夏も何とか生き延びた気分。

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