オカリナ

ふとしたときに突然忘れていた昨夜の夢を思い出すことがある。まるで不意に来る痛みのように。

京都市内のとあるところ、私は近所の商店の奥さんと他愛ない話をしている。私「最近習い事をしてるんですよ」「長唄か何か?」「いえオカリナなんです。」オカリナの師匠は古い京都の町屋に住んでいて、訪ねると病で伏せっている。今日は稽古はやめておこうか。そっと師匠の家を後にする。そこからは取り止めのない展開が続く。

一時期、夢の記録を付けていた。枕元に紙とペンを置き忘れないうちにその断片を書き留めておく。起きて忘れているようでも、メモの単語を見るだけで思い出すことができた。それをB6の情報カードに書き溜めていた。

そのうち、いくつかは現実の事柄やニュースなどにつながるものもあった。いわゆる正夢というのか。

ある時、中学生くらいの姉とその幼い弟が現れて「○○○○と申します。本当にありがとうございました」と私に深々と頭を下げる夢を見た。二人の名前とその光景を夢から覚めた後もはっきりと覚えていて、両親にこの名前に覚えがないかと聞いたが思い当たらないという。しばらく調べたが結局分からなかった。いまもメモに残してあるのだが、いつかこの二人が誰だったのか、なぜ私に礼を言ったのか、分かる日がくるという確信に似た思いがある。

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